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こんにちは!「KRS・828製作工房」ブログ更新担当の中西です。
さて今回は
828のつぶやき~法規適合~
キッチンカーは「車+厨房+店舗体験」を1台に凝縮した“走るビジネス”。だからこそ法規適合・衛生・安全・販売力の4点を、設計段階で同時に満たすことが成功の分岐点です。本記事は、製作会社/事業者の双方が押さえておきたい基準と設計手順を、現場で使える粒度でまとめた総合ガイドです。
まずはメニューと提供量を確定させ、必要設備を逆算します。
1日の想定提供数(ピーク時の分間提供数も)
調理工程(仕込みの要否/加熱種別/オイル使用の有無)
出店ロケーション(イベント/ランチスポット/商業施設駐車場)
電源(現地電源の有無、静音要件)、水の補給動線、ガスの使用
例)「から揚げ+ポテト+ドリンク(1日250食/ピーク時1分3食)」→二口フライヤー・冷凍/冷蔵・作業台長さ・ラッシングや油受け構造・発電機容量・給排水容量を一式で設計。
2021年の食品衛生法改正により、移動販売の施設基準は全国で共通化の方向になりました。ただし実務の運用には自治体差が残るため、最終判断は出店地域の保健所に事前相談が鉄則です。キッチンカーならフードトラックカンパニー
多くの自治体では目安として、給水タンク容量に応じて提供できる品目・工程が変わる運用があります(例:40L程度=単一品目、80L/200L程度=複数品目可 等)。一律ではないため管轄保健所で確認しましょう。キッチンカーならフードトラックカンパニーkitchencar.fujicars.jp
東京都の手引き例では「飲用適の給水タンク+同等容量の排水タンク」の設置を求めています。ほか自治体もこの考え方が主流。図面段階で清汚分離・容量・バルブ位置を決めておくと改修を防げます。東京メトロ保険医療情報
実務TIP:保健所検査では、給排水の導線・シンク寸法・冷蔵/冷凍・内装の清掃性などを一体で見られます。設置物の仕様書や写真を添えて事前相談するのが最短ルート。
移動販売車は特種用途自動車(移動販売車)=いわゆる8ナンバーで登録されることが一般的ですが、必須ではありません。8ナンバーの主な利点は「設備を載せたまま車検を受けやすい」点。一方で、要件充足やコスト等の検討が必要です(4ナンバー/1ナンバー運用も可能)。所轄の運輸支局で確認して選択しましょう。
※登録区分で税や保険料の取り扱いが変わる場合があります。最新の扱いは運輸支局・税事務所へ。
LPガス機器を使う場合は、接続・設置・保管・消火設備が要チェック。
消火器:可搬式でA-4/B-10相当の能力を満たす等、所要性能が定められています(地域運用差あり)。イベント会場等の指示に従い、規格適合品を常備。経済産業省
運用上の基本:ホース接続の確実化、充填時の点検、真夏の車内保管禁止、ボンベ屋外設置の徹底など。alanbox.net
実務TIP:フライヤー使用時は、耐熱板・防滴・油受けトレイを設置し、排気/給気の流路を作る。配線は耐油ケーブルで熱源から離隔を確保。
発電機:ピーク消費+30%の余裕で選定。消音ボックス/防振マウント/遮熱板は“現場評価”を左右します。
外部電源:会場電源を使える場合、転換スイッチ(ショア電源切替)で誤給電を防止。
バッテリー併用:インバータ+蓄電で待機時は無音運転、ピークのみ発電機で補う設計が有効。
厨房機器・水・燃料・人・発電機の総重量と左右/前後バランスを積算。
重い機器は車軸近傍&低重心へ。満水時/空時の重心差も考慮。
壁面・床は不燃/難燃材+清掃しやすい仕上げ。機器固定はL字金具+ボルトナットで走行時の動揺を抑える。
清汚動線分離(受け渡し口の手前に洗浄エリアを作らない)
二槽シンク+手洗い、使い分け色分け(包丁・まな板)
温度管理(庫内温度ログ、加熱後保温、チルド保管)
清掃手順書(営業前後のチェック、薬剤濃度、排水処理)
2021年以降の制度変更により、固定店舗同等の衛生水準が求められます。設計段階から“清掃しやすい構造”で組むのが近道です。厚生労働省
ワンウェイ動線型:仕込み→加熱→盛付→受渡しを一方向へ。回転率重視。
対面L型:二口作業で同時進行。メニュー数が多い案件に。
ドリンク分離型:ドリンクを助手席側に分離し、会計・受渡しを分担。
要件定義(メニュー・提供数・出店先・電源・ガス・水)
法規・運用の事前相談(保健所/運輸支局/消防)
基本設計(平面/配線/配管/排気・給気/重量計算)
製作(配線・配管・断熱・防火・固定)
自主検査(漏電・漏水・ガス漏れ・排気・振動)
保健所/車検/消防の手続き
引渡し&操作教育(点検項目・緊急時手順)
週次:シンク・排水・トラップ洗浄、フライヤー油交換、発電機点検
月次:配線の被覆・端子焼け、ガスホース亀裂、換気経路の油汚れ
半期:冷媒ガス圧・電装リレー・ブレーキ/タイヤ摩耗、ボディ錆
“通る・売れる・安全”は設計段階の意思決定でほぼ決まります。
メニュー→法規→電源/ガス/水→重量→動線の順に詰め、保健所/運輸支局/消防へ事前相談→図面確定→製作が王道。書類と根拠を整えて進めば、余計な改修コストを劇的に減らせます。
こんにちは!「KRS・828製作工房」ブログ更新担当の中西です。
さて今回は
828のつぶやき~経済的役割~
移動販売というフレキシブルなスタイルが注目される中、キッチンカーの需要は年々増加しています。その陰で、車両の設計・改造・施工を担う「キッチンカー製作業」は、単なる業務用車両加工の枠を超え、多面的な経済的価値を発揮しています。
キッチンカー製作業がどのようにして地域経済・起業支援・産業連携・持続可能なビジネス支援へとつながっているのかを、経済的観点から深掘りしていきます。
キッチンカーは、店舗を構えずに始められるビジネスとして、個人や小規模事業者の創業支援ツールとなっています。そしてその出発点となるのが、車両製作という初期インフラの整備です。
飲食業未経験でも参入しやすいハード面を提供
製作業者が開業支援(保健所対応・設備相談)も担い、創業率を高める社会的役割を果たす
キッチンカーの供給が広がることで、イベント、観光地、マルシェなど地域商圏も活性化
つまり、キッチンカー製作業は単なる「ものづくり」ではなく、地域に新しい事業者が生まれる起点となり、起業文化を下支えする経済的存在です。
キッチンカー製作業には、金属加工・電装・配管・塗装・設計・インテリア製作など、さまざまな技能が必要です。
製作工場や職人が活躍する場となり、地場雇用の受け皿に
自動車整備業や板金加工などの関連業者とも連携し、産業間ネットワークが構築される
熟練技術者の再雇用や、若年層の技能育成にも寄与
このように、キッチンカー製作業は地域の技術系人材を活用し、ものづくりと雇用を循環させるローカル産業として機能しています。
1台のキッチンカーを完成させるには、様々な部材・設備・技術が必要です。これにより、以下のような広範囲な産業連携と経済波及効果が生まれています。
冷蔵庫や調理機器などの業務用厨房機器メーカー
給排水装置、換気設備などの住宅設備業者
内装材や断熱材を扱う建材業者
車両ラッピングや塗装のデザイン・広告業界
これらの業界への発注が増えることで、地域全体のものづくりエコシステムが活性化され、継続的な受注の場を提供しています。
キッチンカーは、短期で収益化しやすいビジネスとして注目されています。製作業者の存在は、そうしたビジネスを迅速に立ち上げる「スピード感」を生む土台となります。
製作から最短1~2か月での事業スタートが可能
低コストで始めやすく、短期イベントにも対応できる車両設計
これにより、小規模投資が加速し、消費とキャッシュフローが地域経済に回る
つまり、製作業者の柔軟性は、個人消費を促し、地域にお金を回す仕組みの一端を担っているのです。
近年は、キッチンカーを製作して販売するだけでなく、中古再販やレンタルといったビジネス形態も広がっています。
製作済みの車両をリメイクして再流通(中古市場)
フードフェスや企業イベント向けに短期レンタル
廃車や老朽車を活用し、サステナブルな製作スタイル
これにより、廃棄物の削減とともに、低資本でも始められる循環型経済を形成。キッチンカー製作業は「持続可能な商売のかたち」を裏から支える存在にもなっています。
製作されたキッチンカーは、単なる「食の提供」だけでなく、地域の観光・特産品・文化と組み合わせて展開されることも少なくありません。
ご当地グルメを販売するキッチンカーが観光資源化
デザイン性の高い車両がSNSで拡散され、地域ブランド力向上
空き地・公園・道の駅など、遊休スペースの活用が進む
製作業者は、そうした「場」と「ブランド」の形成に不可欠な存在であり、まちづくりや観光振興の裏方として経済的役割を果たしています。
キッチンカー製作業は、単なる車両加工業ではありません。
新たな起業を支える起点
地場産業と技術人材の活用
地域消費と関連産業の活性化
循環型ビジネスの推進
観光・地域ブランドの強化
これらを通じて、ローカルから全国へ広がる経済的エコシステムの重要な歯車として、静かに力強く社会を支えています。
次に街で見かけたキッチンカー、その裏にはこうした製作の現場と経済活動が息づいていることを、少しだけ思い出してみてください。
こんにちは!「KRS・828製作工房」ブログ更新担当の中西です。
さて今回は
828のつぶやき~多様化~
コロナ禍以降の飲食業界で注目を浴び、今なお拡大を続ける「キッチンカー」。その魅力は自由な出店スタイルや初期費用の低さ、そして場所に縛られないビジネス展開にあります。そして、その基盤となるのが「キッチンカー製作業」です。
かつては中古の軽バンに簡易キッチンを載せる程度だったこの分野も、現在では用途や目的に応じて非常に多様化した製作手法やデザイン、技術革新が進んでいます。その多様化の実態を深く掘り下げてご紹介します。
従来、キッチンカーといえば「軽トラック」や「1BOXバン」が一般的でしたが、現在では目的に応じて様々な車両が選ばれるようになっています。
軽トラック型:コンパクトでコストを抑えやすく、初出店者に人気
普通車(ハイエース・キャラバンなど):設備の自由度が高く、内装カスタムしやすい
大型トラック・トレーラー型:本格的な厨房機能を搭載し、複数人対応や複業運営に向く
キャンピングカー型・バス型:飲食だけでなく物販・エンタメ対応型など複合業態にも最適
こうした選択肢の拡大により、提供する商品や運営スタイルに最適化された車両設計が可能になり、出店戦略の幅が格段に広がっています。
キッチンカー製作において、最も重要な要素の一つが「内装のカスタマイズ性」です。提供するメニューによって必要な設備・動線・収納などが異なるため、製作業者は多様なニーズに対応する技術力を求められています。
例:
カフェ系:エスプレッソマシン、冷蔵ショーケース、排水処理、カウンター導線
揚げ物・フライ系:強化排気ファン、防火・断熱構造、油はね対策の壁設計
ラーメンや汁物系:給湯器、大容量ガス設備、断熱材、防水床処理
スイーツ系:冷蔵/冷凍スペースの拡充、作業台の高さ調整、外観デザイン重視
このように、「何を売るか」によって車両の内部構造が大きく変わるため、製作業者は設計力・ヒアリング力・飲食業界への理解が求められる高度な仕事となっています。
キッチンカーは“動く看板”でもあります。そのため、車体の外観デザインは集客やSNS映えに直結し、オーナーの世界観やコンセプトをどう表現するかが問われます。
フルラッピングでブランド演出
木目調・レトロ風など温かみのある装飾
ポップなカラーとネオンサインでイベント特化
観音開きや跳ね上げ式などの開口部バリエーション
こうしたデザイン対応の幅が広がることで、製作業者は単なる“車両加工業”から、“ブランディングパートナー”としての役割を担うようになっています。
キッチンカー製作で欠かせないのが、食品衛生法・道路交通法・建築基準法などの多様な法規制への対応です。出店地域や提供品目によって保健所の求める設備が異なるため、製作業者の柔軟な対応力が非常に重要になります。
二槽式シンク、温水器、換気設備の設置義務
食品取扱区画とキャッシュエリアの分離
調理ガス器具の固定と耐震設計
総重量や車両サイズ制限をクリアする設計
各地の条例や保健所対応に精通している製作業者ほど、スムーズな出店を実現できる信頼性の高いパートナーとして選ばれる傾向にあります。
キッチンカー製作業は、単なる「車両を作る」仕事にとどまりません。業界の成長に伴い、さまざまな関連サービスが派生しています。
製作+開業サポート(仕入れ、保健所申請、メニュー開発)
レンタル車両や中古キッチンカーの再販
短期イベント向けのスポット貸し出し
フランチャイズ展開に特化した車両設計パッケージ
これらにより、低リスクでの参入や柔軟な事業展開が可能となり、個人や企業がキッチンカー事業を始めやすい環境が整いつつあります。
キッチンカー製作業の多様化は、飲食業界におけるビジネスの柔軟性と独自性を支える存在として進化しています。
オーダーメイドで「やりたいこと」を形にできる
ニーズに応じた設備・デザイン・法規対応の最適化
始めやすく、成長にも対応できる“変化に強いインフラ”
キッチンカーという表舞台の裏で、その「移動空間」を支える製作業者の存在は、これからの飲食業や起業文化においてますます重要な役割を担っていくことでしょう。
こんにちは!「KRS・828製作工房」ブログ更新担当の中西です。
さて今回は
828のつぶやき~喜び~
飲食の世界で「自由」や「挑戦」を象徴する存在、それがキッチンカーです。そしてその舞台裏で、一台一台のキッチンカーを創り出しているのが「キッチンカー製作業」の人々です。
彼らが日々感じる“喜び”とは、単なるモノづくりの達成感に留まりません。そこには依頼主の夢を叶える責任と感動、社会とのつながりがあります。
キッチンカー製作は、図面と想像から出発し、鉄板や木材、配線、機器を組み合わせて目に見える「店」を創り出す作業です。
フレームを溶接し、断熱材を入れ、壁を立ち上げる
厨房機器や水回りをレイアウトする
外装デザインや看板を施す
一台が完成するごとに、製作者の中には「自分の手で店を創った」という誇りが芽生えます。
キッチンカーの製作依頼には、こんな声が寄せられます:
「独立して、家族を支えたい」
「自分の料理をもっと多くの人に届けたい」
「地域イベントに出たい」
製作者は、こうした“人生の転機”に立ち会う存在でもあります。打ち合わせを重ね、レイアウトを提案し、限られた空間でベストな店づくりを考える。
完成した車両を見て、涙を流すオーナーも少なくありません。「ありがとう。これが私のスタートです」という言葉こそ、製作者にとって最大の報酬です。
完成したキッチンカーが、公園やマルシェ、フェスなどで人を集め、街のにぎわいを創り出す様子は、製作者の想いが社会に溶け込んだ証です。
家族連れが笑顔で並ぶ行列
仕事帰りに一息つくお客さま
地域イベントを盛り上げる屋台村
その中に自分が製作した車両があるということは、「風景の一部になった」という大きなやりがいにつながります。
キッチンカー製作はテンプレートではなく、毎回が“オーダーメイド”。飲食内容、調理スタイル、営業エリアにより、まったく異なるレイアウトや仕様が求められます。
揚げ物中心 → 油跳ねと換気対策
コーヒー中心 → 給水・排水の安定確保
多拠点出店 → 軽量化と収納重視
常に新しい工夫と技術が求められるからこそ、「飽きない・成長できる」現場でもあります。
キッチンカーは、若手の独立支援や副業チャレンジの入り口としても機能しています。製作者としてその一歩に関われることは、大きな社会的意義を持ちます。
地方創生の一環として製作支援を行う例も増加
廃車を再利用し、アップサイクルとして再生する取り組みも
「ものづくり」から「まちづくり」へと、キッチンカー製作の喜びは広がっています。
キッチンカー製作業の喜びは、モノを作るだけではなく、“夢”を形にして“街”を動かす”ことにあります。お客様の想いと手を取り合い、社会に新しい価値を届ける――それがこの仕事の最大の魅力です。
こんにちは!「KRS・828製作工房」ブログ更新担当の中西です。
さて今回は
828のつぶやき~3D図面~
キッチンカー市場が年々活性化する中で、その製作工程にも革新の波が訪れています。とりわけ注目を集めているのが「3D図面」の活用。見た目やサイズ感、機能配置を立体的に表現することで、施主・製作者・行政のすべてにとってメリットがあるとして、多くの現場に導入されつつあります。
キッチンカーは、一台一台の用途・業種・地域要件によって設計が大きく異なります。2D図面では細部が分かりづらく、完成後にイメージと違ったというトラブルも発生していました。
車体・厨房機器・配線・排水・換気など、複数の分野が関わるため、共有できる視覚情報が求められています。
作業スペース、導線、収納場所などを立体的に確認
調理スタッフの動線をシミュレーションして無駄な動きを最小化
オーブン・シンク・冷蔵庫などのサイズや接触範囲を精密に配置
排気・排水ラインの取り回しも衝突や干渉を事前に確認可能
看板や窓の位置、外装パネルの質感も可視化
お客様の導線(注文・受取・会計)のバランス検討にも有効
職人同士の作業確認がスムーズに
溶接・カット・配管など、工程順や位置関係を明確化
部品・資材の発注ミスを削減し、工期短縮・コスト削減につながる
保健所の営業許可や車検取得など、法規対応のための寸法確認にも3D図面が活躍。
シンクの数・大きさ、手洗い器の設置位置などを立体図で説明可能
行政担当者とのやり取りがスムーズになり、許可取得もスピーディに
完成前のキッチンカー内部をバーチャル空間で体験する技術も登場。発注者との完成イメージ共有が一層リアルになります。
オンライン上で3Dデータを共有・修正することで、遠方の顧客との共同作業も可能になります。
キッチンカー製作における3D図面は、単なる「見やすさ」ではなく、**企画・設計・施工・法対応までを一貫してつなぐ“設計言語”**になりつつあります。自由度の高いビジネスであるからこそ、立体的な思考と設計で、使いやすく魅力的な車両が生まれていくのです。
こんにちは!「KRS・828製作工房」ブログ更新担当の中西です。
さて今回は
828のつぶやき~日本と海外の規格の違い~
ということで、日本と海外の規格の違いについて解説!
キッチンカー(フードトラック)は世界中で急速に拡大している移動型ビジネスモデルですが、その設計・製造に関する規格や法的基準は国によって大きく異なります。日本の製造業者が海外へ進出する、または逆に海外仕様車を日本で運用する場合、これらの違いを把握しておくことは極めて重要です。
項目 | 日本 | 海外(米国・EU) |
---|---|---|
許認可機関 | 保健所、運輸局、消防署 | 市・郡レベルの保健局、DMV、建築安全局など |
営業許可制度 | 地域ごとに営業許可取得が必要(都道府県単位) | 都市または州単位で包括的な営業ライセンスを取得 |
車両登録区分 | 特種用途車・貨物車扱い(構造変更申請あり) | 一般商業車扱いが主流(商用車両登録で対応可能) |
日本では自治体ごとに基準が異なり、構造や装備も営業地域に応じて変更が必要ですが、米国では「モバイルビジネスライセンス」一つで広範囲の営業が可能な場合があります。
設備要件 | 日本 | 海外(米国・EU) |
---|---|---|
手洗い・シンク | 二槽シンク+独立手洗いが原則 | 一槽シンクでも可(地域により要件緩和) |
水タンク容量 | 給水100L以上・排水110%以上が一般的 | 給水約75L以上でも可(地域により大差あり) |
内装・床材 | 不燃性・清掃可能素材(ステンレス・FRPなど) | 一部の地域では木材・ビニール床も許容 |
換気設備 | 強制換気+グリスフィルター設置義務 | 換気扇程度の簡易設備でも認可されるケース有り |
特に米国では、「食品の種類・調理方式」によって設備要件が細分化されており、冷蔵のみ/加熱調理あり/フライヤー使用等で許可要件が異なります。
道路運送車両法により、構造変更(特装車)には型式・構造審査が必要。
LPガス機器は消防法に準拠(消火器設置・ガス遮断装置など)。
電気系統もPSE適合やアース処理が求められる。
NFPA(全米防火協会)による「NFPA 96」などの防火基準。
UL規格に準拠した機器使用が主流。
LPガスは屋外専用タンク設置が一般的。接続方式も異なる。
欧米では製造業者が自由に設計できる部分が多く、「ユーザー責任型」の運用が中心。一方、日本は「製造段階から法令適合」が義務であるため、審査対応を見越した設計が必要です。
日本:法令主導型。安全性・衛生性を重視し、許認可審査が厳格。営業地域によって設備変更が必要なことも多い。
海外:実用主義型。機能性を重視し、保健基準も「最小限の衛生を担保できれば可」とする地域もある。
このため、海外製のキッチンカーをそのまま日本で使用するには、構造改修が必須になることが多いです。
キッチンカー製造における日本と海外の規格の違いは、単なる設計上の差ではなく、「行政制度・文化・リスク認識」の違いを反映しています。輸出入や多国間事業を行う製造業者にとって、両方の基準を理解し、柔軟に設計変更できる体制が求められます。
こんにちは!「KRS・828製作工房」ブログ更新担当の中西です。
さて今回は
828のつぶやき~規格~
ということで、それら日本の主な規格について詳細に解説します。
近年、キッチンカー(移動販売車)は、イベントや観光地、都市部のランチ営業などで高い需要を誇る一方で、その製造には多くの規格や法的要件が伴います。製造業者は単なる車両改造ではなく、「食品衛生・構造基準・安全性・車両法規」などの多岐にわたる基準をクリアする必要があります。
キッチンカーは「食品営業施設」として保健所の許可が必要です。製造段階から以下の条件を満たすように設計されなければなりません。
手洗い設備の設置(独立した蛇口+給排水タンク)
給排水タンクの容量(一般的に給水100L以上、排水110%以上)
内装材の防水・清掃性(ステンレス、FRP等)
冷蔵設備と温度管理
二槽シンクの設置(自治体により一槽でも可)
換気扇の装備
虫除け・ほこり除け設計(網戸、スライド扉等)
なお、細かな要件は自治体ごとに異なるため、製造時点で営業エリアの保健所基準を事前に確認することが必須です。
道路運送車両法に基づく保安基準
車体寸法・重量制限(全長12m、全幅2.5m、全高3.8m以内)
灯火類の位置や車幅灯、反射板の設置
移動中の収納機構(飛び出し式カウンターの格納安全性)
ガス設備の固定と遮断装置
電気設備の絶縁とアース処理
火災時の避難性確保(天窓・扉位置等)
製造業者は、JIS D 5004(特装車両の改造基準)や、車両架装業界のガイドラインも参考に構造設計を行います。
キッチンカーは、普通貨物車または特種用途車として登録されます。構造変更を伴う場合は、以下の対応が求められます。
構造変更検査の実施
車検証記載の用途変更(例:貨物→販売用車両)
事業用ナンバー取得(緑ナンバー)のための運送業登録(必要に応じ)
これらの手続きを誤ると、営業許可が下りない・公道走行が違法になるリスクがあります。
ガス機器を搭載する場合は、高圧ガス保安法・液化石油ガス法の規制対象となります。主な規格は以下の通りです。
LPGタンクは耐震固定し、排気口を備える
消火器設置(粉末ABC消火器、2kg以上)
火元から一定距離を保った換気構造
一酸化炭素警報器の設置推奨
構造の安全確認・帳票作成(強度計算、配線図、施工記録など)
営業者向けの設置マニュアルの作成
保健所や陸運局との事前調整サポート
アフターメンテナンスと改修対応
信頼性の高いキッチンカー製造業者とは、これらの規格を理解し、確実にクリアできる設計と施工力を有する事業者です。
キッチンカーは、自由なビジネス展開を可能にする一方、製造段階から法令遵守と規格対応が強く求められる分野です。製造業者は、食品衛生・構造安全・車両基準を包括的に設計に反映し、営業許可取得を支援する役割を果たす必要があります。規格対応に強い製造業者の選定が、キッチンカービジネス成功の第一歩です。
こんにちは!「KRS・828製作工房」ブログ更新担当の中西です。
さて今回は
828のつぶやき~注意事項~
ということで、キッチンカー製作業者の視点から見た、キッチンカー営業における実践的な注意事項を、製作時に反映すべきポイントとともに深くご紹介!
作って終わりじゃない!営業で困らない「先読み製作」のすすめ
キッチンカーの製作を依頼される際、私たち製作業者が一番大切にしているのは、
「その車両で本当に営業がスムーズにできるか?」という視点です。
なぜなら、見た目が良くても、営業中に使いづらかったり、保健所や消防の指摘が入れば、売上以前に“営業できない”状況になってしまうからです。
キッチンカー製作を希望されるお客様の多くが、最初にこだわるのが見た目のデザインや車体のサイズ感です。
もちろん、見た目は集客において重要です。しかし
営業中の快適さ・安全性・作業効率が確保されていなければ、いくら見た目が良くても運用で詰まります。
シンクが狭く、食器洗いが非効率
発電機が車内にあり、排気と騒音で営業不能
作業スペースが足りず、複数人での対応ができない
メニュー変更に柔軟に対応できない内装設計
📌 製作時には、「どんな営業スタイルか?」「どのくらいの回転率が想定か?」までヒアリングし、それに応じた設計を行う必要があります。
営業するには、保健所の営業許可が必須です。
しかし、キッチンカーは地域によって保健所の基準が異なるため、製作時からこの点をクリアできる構造にしておかなければなりません。
設備 | 備考 |
---|---|
2槽シンク | 一部地域では3槽必要 |
給水タンク | 40L以上が目安 |
排水タンク | 給水より多い容量が原則 |
手洗い器 | 調理シンクとは別 |
換気扇 | 火気使用時は必須 |
温水器 | 地域により必須 |
📌 製作前に、営業予定地域の保健所と直接相談することを強く推奨します。
製作業者もその内容を共有して設計に反映することが重要です。
キッチンカー営業では、ガス機器・発電機・電気フライヤーなど、火気や電気を使う場面が多くあります。
しかし、設計や使い方によっては、火災・感電・一酸化炭素中毒といった重大事故に直結します。
LPガスボンベは車外設置+金属ボックスで固定
換気扇・排気ダクトの設置で空気の循環を確保
配線は工事用ケーブルと防水コンセントを使用
消火器の設置は必須(営業許可にも影響)
📌 消防署への届出や設備検査が必要なケースもあります。製作業者と連携して安全基準をクリアしましょう。
営業スタイルによっても、必要な確認事項は異なります。
出店スペースに車両サイズ制限(4.8m以内など)
静音型発電機や自主排水タンクが必須な会場も
「看板・タープ禁止」「発電機不可」など独自ルール多数
事前に道路占用許可・移動販売届出が必要(自治体による)
通行の妨げになる形状・開閉部はNG
排水方法、電源供給方法、土地所有者との契約条件など細かく管理される
📌 製作前に、「どこで、どういう風に営業したいか?」を具体化しておくことが、製作プランを正しく組む第一歩です。
はじめての営業では「メニューの見直し」「販売方法の変更」が多発します。
そのたびに車両を改造するのは現実的ではありません。
作業台や棚は取り外し/組み替え可能
加熱機器はコンセント式・着脱式
外装メニュー板はマグネットやパネル式で交換しやすく
📌 後から変えられる部分をあらかじめ作っておくことで、営業の幅もぐんと広がります。
キッチンカーは「製作がゴール」ではありません。
“実際の営業現場で、トラブルなく・効率よく・安心して使えるか”が最重要です。
そのためには、製作業者とお客様が、営業の現実を共有しながら一緒に車両を作り上げることが大切。
デザイン性・コスト・アイデアも大切ですが、
最終的に売上と継続に直結するのは、「営業のしやすさ」と「法令・安全への対応力」です。
項目 | 内容 |
---|---|
保健所基準 | 営業予定地での許可基準を確認済みか? |
火気・電気 | 安全基準を満たす設計になっているか? |
サイズ・重量 | 出店先に適合するサイズか?運転可能か? |
内装レイアウト | 動線・収納・衛生性・換気に配慮されているか? |
変更対応 | メニューや営業形態が変わっても対応できる構造か? |
書類・届出 | 営業に必要な届出を把握しているか? |
こんにちは!「KRS・828製作工房」ブログ更新担当の中西です。
さて今回は
828のつぶやき~確認事項~
ということで、キッチンカー製作において“製作前に必ず確認しておくべき事項”を、6つの観点から深掘りしてご紹介♪
失敗しない!保健所対応・構造設計・車両選びの極意
コロナ禍を経てブームとなったキッチンカー(移動販売車)。
低コストで開業できる飲食業として、今や個人・法人を問わず参入が続いています。
しかし、キッチンカーの成功は「どこで売るか」「何を売るか」以上に、「どのように作るか」で決まります。
なぜなら、製作段階でのミスや確認不足は、保健所の営業許可が下りない・事故につながる・運用に支障が出るといった重大なトラブルを招くからです。
移動販売車の営業許可は、各地域の保健所が独自に定めた基準に従う必要があります。
同じ設備でも、ある自治体では許可が出て、別の自治体ではNGということも。
多くの自治体では、次のような設備を必須としています:
必須設備 | 内容 |
---|---|
シンク | 2槽以上(調理と洗浄を分ける) |
給水タンク | 40L以上推奨 |
排水タンク | 給水以上の容量が原則 |
温水器 | 一部地域で必須(手洗いの温水対応) |
手洗い器 | 独立設置が必要 |
冷蔵庫 | 冷蔵・冷凍食品販売時に必要 |
換気扇 | 火気を使う場合は必須 |
📌 営業する地域の保健所に事前相談するのが鉄則。図面持参での確認がおすすめです。
どの車種をベースにするか?
軽バン、1tトラック、2t車、トレーラー型など
運転免許は?
普通免許で運転できる車両かどうか(車両総重量3.5t未満)
営業エリア・出店場所の制限は?
都市部のイベントでは「全長5m以下」などの制限がある場合も
車種 | 荷室サイズ(目安) | 特徴 |
---|---|---|
軽バン | 約180cm × 130cm | 小回り重視/メニュー制限あり |
1t車 | 約250cm × 160cm | ベーシックモデル/人気高 |
2t車 | 約300cm以上 | 多品目対応/駐車制限に注意 |
📌 駐車場・イベントスペースとの相性を確認してから車両を選定しましょう。
ボンベの設置場所・固定方法・換気対応
炎の高さや機器周囲の耐熱材処理
火災報知器・消火器の設置は必須
📌 消防署への届出が必要になるケースもあり、設計時点で相談が必要です。
発電機 or バッテリーの選定
消費電力と同時使用機器数のバランス
分電盤やブレーカーの設置と安全配線
📌 発電機は騒音・排気の問題もあるため、利用シーンに応じた選定がカギになります。
人の動線が悪く、調理しにくい
作業台が狭く、準備や盛り付けに時間がかかる
換気が足りず、室内が熱気・煙だらけ
食品や資材のストックが置けない
作業効率:1人 or 2人での営業を想定
収納:食材・容器・ゴミなどの配置計画
視認性:お客様からの見え方・注文導線
清掃性:コーナーの処理、撥水材・ステンレスの使用
📌 図面作成時には、営業中の動作をシミュレーションすることが極めて大切です。
仕様書と見積書の詳細(材料・設備品番・保証内容)
保健所基準を満たす設計になっているか?
施工後のサポート(トラブル・補修対応)
納期・検査・納車スケジュール
保健所の指摘で再工事が必要
電源容量が足りず、営業できない
見積外の追加工事でコストが膨らむ
📌 契約前に、過去の施工実績やレビューを確認することが安心につながります。
届出内容 | 所管 |
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営業許可(食品衛生) | 地元保健所 |
自動車の改造申請(構造変更) | 陸運局 |
火気使用申請 | 消防署 |
移動販売届出(地域による) | 市区町村・道路管理者 |
📌 キッチンカーは「移動できる飲食店」=飲食店と同じ法令が適用されるため、法令対応も怠らないことが大切です。
キッチンカーでの営業は自由で魅力的な反面、製作段階でのミスや曖昧さは後々の営業に大きな支障をきたします。
だからこそ、「事前確認と計画」がすべてのスタート地点。
保健所、消防、運輸、出店先の要件、営業効率まで――
多面的に考え、信頼できる製作業者と連携することが、長く続けられるキッチンカー経営の鍵なのです。
チェック項目 | 内容 |
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保健所対応 | 営業許可基準の確認、事前相談 |
車両選定 | 運転免許、営業場所の制約、サイズ |
火気・電気設備 | 消費電力・消防法対応・排熱設計 |
内装設計 | 動線・清掃・収納・視認性 |
業者契約 | 設計図・費用・保証・納期の明確化 |
各種届出 | 保健所・陸運・消防・自治体手続き |