
こんにちは!「KRS・828製作工房」ブログ更新担当の中西です。
さて今回は
828のつぶやき~売上は“設計”で作れる~
同じメニューでも、窓の高さ・機器の並び・照明・サインが違うだけで売上が変わります。キッチンカーは設備投資=UX(顧客体験)投資。“売れる設計”に直結するレイアウト、表示、会計、オペ導線を体系化します。
受渡し窓の高さ:立客の肘よりやや下(約950–1050mm目安)で受け渡しが速くなる。
視線→注文→会計→受渡しを一直線にする(UXの三直線)。
二人体制なら「調理担当」と「会計・受渡し担当」を明確に分業できる配置に。
実務TIP:レジ位置は入口から見て左に置くと右利き客の財布動線がスムーズ。モバイル決済端末は窓口側に常設して受渡しと一体化。
3秒ルール:最上段に“推しの1品と価格”。中段にセット、下段に追加トッピング。
価格は端数戦略(例:800円より780円/1,000円セットの比較軸を作る)
照明はメニュー看板と商品に当てる。受渡し口は温白色で顔映りを良くし、写真映えを狙う。
工程が重なるメニューは避ける(フライヤー渋滞を作らない)
熱源別の同時調理枚数(フライヤー2口=3食/分 等)でピークを設計
仕込み/車内完結の線引き:衛生と速度のトレードオフを最適化
※仕込み可否や品目の考え方は給排水容量・自治体運用に依存。必ず保健所に相談を。
事前注文(SNS/モバイルオーダー)と現地QR決済の併用
トークスクリプト(「お会計→番号→呼出し」)を貼る
番号札/SMS呼出で“受渡し渋滞”を解消
片手持ちできる容器+スリーブで熱対策
漏れ・蒸れを抑える通気孔/吸湿シート
ゴミ箱位置は受渡しから1–2歩、動線末端に設置して“手戻り”を防ぐ
夏:ドリンク高速提供(ディスペンサー/前出し冷蔵)、ミスト扇風機
冬:保温庫の段数アップ、照明を暖色寄りに、待機列の足元マット
イベント:看板を遠距離視認へ(高所サイン+矢印)
発電機は静音ボックス+防振で会話を妨げない。
排気は後方上方へ逃がす。油煙は活性炭+グリスフィルタ。
会場電源使用時は切替スイッチで逆潮流を防止。
ボンベは直射日光・高温を避け、屋外設置が原則。
ホースの確実な接続・点検、消火器常備は必須(能力要件は地域運用差。主催者/消防指導に従う)。経済産業省alanbox.net
手洗い動作が客席から見える位置だと“安心”が伝わり購入率が上がる
温度ロガーで「加熱/保冷の証拠」を日報化
清掃チェック表を掲示し、開店/閉店の2サインで管理
施設基準は全国共通化の方向だが細則は自治体差。製作前に保健所へ相談がベストプラクティス。
高速回転(揚げ物主軸)
受渡し窓→レジ→盛付台→フライヤー→冷凍→下ごしらえ台(U字)。
フライヤー前に耐熱ガードと油受け、排気は上方ダクト。
複数メニュー(焼き+茹で+盛付)
焼台/ゆで釜を左右に分け、中央に盛付台。
二槽シンク+手洗い独立、動線交差を避ける。
ドリンク/スイーツ特化
受渡し窓横にドリンクコラム(サーバー/冷蔵/シロップ)。
写真映えを重視し、間接照明と天吊りサインを強化。
分間提供数(ピーク5分平均)
会計~受渡し時間(秒)
原価率/ロス率(仕込み量と廃棄)
SNS反応(写真投稿数/保存数)——照明と映えの改善指標に
保健所:給排水容量・シンク・内装材・仕込み可否・メニューの適合を相談。
運輸支局:8ナンバー化の是非・構造/重量・検査に関わる要件。k-box.jp
消防:LPガスの取り扱い・消火器規格・イベント時の配置。経済産業省
参考:給排水は「給水=飲用適」「排水=同等容量以上」などの考え方が一般的。東京都例を図面化しておくと全国で応用が利きます。東京メトロ保険医療情報
売れるキッチンカーは、秒単位の設計+見える安心+場所に合わせたモジュール化でできています。
メニューと提供数を起点に、動線・表示・会計・電源/排気・衛生を一体で設計し、保健所/運輸支局/消防へ事前確認。これが“初回から通る & 初日から売れる”黄金パターンです。
こんにちは!「KRS・828製作工房」ブログ更新担当の中西です。
さて今回は
828のつぶやき~法規適合~
キッチンカーは「車+厨房+店舗体験」を1台に凝縮した“走るビジネス”。だからこそ法規適合・衛生・安全・販売力の4点を、設計段階で同時に満たすことが成功の分岐点です。本記事は、製作会社/事業者の双方が押さえておきたい基準と設計手順を、現場で使える粒度でまとめた総合ガイドです。
まずはメニューと提供量を確定させ、必要設備を逆算します。
1日の想定提供数(ピーク時の分間提供数も)
調理工程(仕込みの要否/加熱種別/オイル使用の有無)
出店ロケーション(イベント/ランチスポット/商業施設駐車場)
電源(現地電源の有無、静音要件)、水の補給動線、ガスの使用
例)「から揚げ+ポテト+ドリンク(1日250食/ピーク時1分3食)」→二口フライヤー・冷凍/冷蔵・作業台長さ・ラッシングや油受け構造・発電機容量・給排水容量を一式で設計。
2021年の食品衛生法改正により、移動販売の施設基準は全国で共通化の方向になりました。ただし実務の運用には自治体差が残るため、最終判断は出店地域の保健所に事前相談が鉄則です。キッチンカーならフードトラックカンパニー
多くの自治体では目安として、給水タンク容量に応じて提供できる品目・工程が変わる運用があります(例:40L程度=単一品目、80L/200L程度=複数品目可 等)。一律ではないため管轄保健所で確認しましょう。キッチンカーならフードトラックカンパニーkitchencar.fujicars.jp
東京都の手引き例では「飲用適の給水タンク+同等容量の排水タンク」の設置を求めています。ほか自治体もこの考え方が主流。図面段階で清汚分離・容量・バルブ位置を決めておくと改修を防げます。東京メトロ保険医療情報
実務TIP:保健所検査では、給排水の導線・シンク寸法・冷蔵/冷凍・内装の清掃性などを一体で見られます。設置物の仕様書や写真を添えて事前相談するのが最短ルート。
移動販売車は特種用途自動車(移動販売車)=いわゆる8ナンバーで登録されることが一般的ですが、必須ではありません。8ナンバーの主な利点は「設備を載せたまま車検を受けやすい」点。一方で、要件充足やコスト等の検討が必要です(4ナンバー/1ナンバー運用も可能)。所轄の運輸支局で確認して選択しましょう。
※登録区分で税や保険料の取り扱いが変わる場合があります。最新の扱いは運輸支局・税事務所へ。
LPガス機器を使う場合は、接続・設置・保管・消火設備が要チェック。
消火器:可搬式でA-4/B-10相当の能力を満たす等、所要性能が定められています(地域運用差あり)。イベント会場等の指示に従い、規格適合品を常備。経済産業省
運用上の基本:ホース接続の確実化、充填時の点検、真夏の車内保管禁止、ボンベ屋外設置の徹底など。alanbox.net
実務TIP:フライヤー使用時は、耐熱板・防滴・油受けトレイを設置し、排気/給気の流路を作る。配線は耐油ケーブルで熱源から離隔を確保。
発電機:ピーク消費+30%の余裕で選定。消音ボックス/防振マウント/遮熱板は“現場評価”を左右します。
外部電源:会場電源を使える場合、転換スイッチ(ショア電源切替)で誤給電を防止。
バッテリー併用:インバータ+蓄電で待機時は無音運転、ピークのみ発電機で補う設計が有効。
厨房機器・水・燃料・人・発電機の総重量と左右/前後バランスを積算。
重い機器は車軸近傍&低重心へ。満水時/空時の重心差も考慮。
壁面・床は不燃/難燃材+清掃しやすい仕上げ。機器固定はL字金具+ボルトナットで走行時の動揺を抑える。
清汚動線分離(受け渡し口の手前に洗浄エリアを作らない)
二槽シンク+手洗い、使い分け色分け(包丁・まな板)
温度管理(庫内温度ログ、加熱後保温、チルド保管)
清掃手順書(営業前後のチェック、薬剤濃度、排水処理)
2021年以降の制度変更により、固定店舗同等の衛生水準が求められます。設計段階から“清掃しやすい構造”で組むのが近道です。厚生労働省
ワンウェイ動線型:仕込み→加熱→盛付→受渡しを一方向へ。回転率重視。
対面L型:二口作業で同時進行。メニュー数が多い案件に。
ドリンク分離型:ドリンクを助手席側に分離し、会計・受渡しを分担。
要件定義(メニュー・提供数・出店先・電源・ガス・水)
法規・運用の事前相談(保健所/運輸支局/消防)
基本設計(平面/配線/配管/排気・給気/重量計算)
製作(配線・配管・断熱・防火・固定)
自主検査(漏電・漏水・ガス漏れ・排気・振動)
保健所/車検/消防の手続き
引渡し&操作教育(点検項目・緊急時手順)
週次:シンク・排水・トラップ洗浄、フライヤー油交換、発電機点検
月次:配線の被覆・端子焼け、ガスホース亀裂、換気経路の油汚れ
半期:冷媒ガス圧・電装リレー・ブレーキ/タイヤ摩耗、ボディ錆
“通る・売れる・安全”は設計段階の意思決定でほぼ決まります。
メニュー→法規→電源/ガス/水→重量→動線の順に詰め、保健所/運輸支局/消防へ事前相談→図面確定→製作が王道。書類と根拠を整えて進めば、余計な改修コストを劇的に減らせます。