
こんにちは!「KRS・828製作工房」ブログ更新担当の中西です。
さて今回は
828のつぶやき~規格~
ということで、それら日本の主な規格について詳細に解説します。
近年、キッチンカー(移動販売車)は、イベントや観光地、都市部のランチ営業などで高い需要を誇る一方で、その製造には多くの規格や法的要件が伴います。製造業者は単なる車両改造ではなく、「食品衛生・構造基準・安全性・車両法規」などの多岐にわたる基準をクリアする必要があります。
キッチンカーは「食品営業施設」として保健所の許可が必要です。製造段階から以下の条件を満たすように設計されなければなりません。
手洗い設備の設置(独立した蛇口+給排水タンク)
給排水タンクの容量(一般的に給水100L以上、排水110%以上)
内装材の防水・清掃性(ステンレス、FRP等)
冷蔵設備と温度管理
二槽シンクの設置(自治体により一槽でも可)
換気扇の装備
虫除け・ほこり除け設計(網戸、スライド扉等)
なお、細かな要件は自治体ごとに異なるため、製造時点で営業エリアの保健所基準を事前に確認することが必須です。
道路運送車両法に基づく保安基準
車体寸法・重量制限(全長12m、全幅2.5m、全高3.8m以内)
灯火類の位置や車幅灯、反射板の設置
移動中の収納機構(飛び出し式カウンターの格納安全性)
ガス設備の固定と遮断装置
電気設備の絶縁とアース処理
火災時の避難性確保(天窓・扉位置等)
製造業者は、JIS D 5004(特装車両の改造基準)や、車両架装業界のガイドラインも参考に構造設計を行います。
キッチンカーは、普通貨物車または特種用途車として登録されます。構造変更を伴う場合は、以下の対応が求められます。
構造変更検査の実施
車検証記載の用途変更(例:貨物→販売用車両)
事業用ナンバー取得(緑ナンバー)のための運送業登録(必要に応じ)
これらの手続きを誤ると、営業許可が下りない・公道走行が違法になるリスクがあります。
ガス機器を搭載する場合は、高圧ガス保安法・液化石油ガス法の規制対象となります。主な規格は以下の通りです。
LPGタンクは耐震固定し、排気口を備える
消火器設置(粉末ABC消火器、2kg以上)
火元から一定距離を保った換気構造
一酸化炭素警報器の設置推奨
構造の安全確認・帳票作成(強度計算、配線図、施工記録など)
営業者向けの設置マニュアルの作成
保健所や陸運局との事前調整サポート
アフターメンテナンスと改修対応
信頼性の高いキッチンカー製造業者とは、これらの規格を理解し、確実にクリアできる設計と施工力を有する事業者です。
キッチンカーは、自由なビジネス展開を可能にする一方、製造段階から法令遵守と規格対応が強く求められる分野です。製造業者は、食品衛生・構造安全・車両基準を包括的に設計に反映し、営業許可取得を支援する役割を果たす必要があります。規格対応に強い製造業者の選定が、キッチンカービジネス成功の第一歩です。