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こんにちは!「KRS・828製作工房」ブログ更新担当の中西です。
さて今回は
828のつぶやき~多様化~
コロナ禍以降の飲食業界で注目を浴び、今なお拡大を続ける「キッチンカー」。その魅力は自由な出店スタイルや初期費用の低さ、そして場所に縛られないビジネス展開にあります。そして、その基盤となるのが「キッチンカー製作業」です。
かつては中古の軽バンに簡易キッチンを載せる程度だったこの分野も、現在では用途や目的に応じて非常に多様化した製作手法やデザイン、技術革新が進んでいます。その多様化の実態を深く掘り下げてご紹介します。
従来、キッチンカーといえば「軽トラック」や「1BOXバン」が一般的でしたが、現在では目的に応じて様々な車両が選ばれるようになっています。
軽トラック型:コンパクトでコストを抑えやすく、初出店者に人気
普通車(ハイエース・キャラバンなど):設備の自由度が高く、内装カスタムしやすい
大型トラック・トレーラー型:本格的な厨房機能を搭載し、複数人対応や複業運営に向く
キャンピングカー型・バス型:飲食だけでなく物販・エンタメ対応型など複合業態にも最適
こうした選択肢の拡大により、提供する商品や運営スタイルに最適化された車両設計が可能になり、出店戦略の幅が格段に広がっています。
キッチンカー製作において、最も重要な要素の一つが「内装のカスタマイズ性」です。提供するメニューによって必要な設備・動線・収納などが異なるため、製作業者は多様なニーズに対応する技術力を求められています。
例:
カフェ系:エスプレッソマシン、冷蔵ショーケース、排水処理、カウンター導線
揚げ物・フライ系:強化排気ファン、防火・断熱構造、油はね対策の壁設計
ラーメンや汁物系:給湯器、大容量ガス設備、断熱材、防水床処理
スイーツ系:冷蔵/冷凍スペースの拡充、作業台の高さ調整、外観デザイン重視
このように、「何を売るか」によって車両の内部構造が大きく変わるため、製作業者は設計力・ヒアリング力・飲食業界への理解が求められる高度な仕事となっています。
キッチンカーは“動く看板”でもあります。そのため、車体の外観デザインは集客やSNS映えに直結し、オーナーの世界観やコンセプトをどう表現するかが問われます。
フルラッピングでブランド演出
木目調・レトロ風など温かみのある装飾
ポップなカラーとネオンサインでイベント特化
観音開きや跳ね上げ式などの開口部バリエーション
こうしたデザイン対応の幅が広がることで、製作業者は単なる“車両加工業”から、“ブランディングパートナー”としての役割を担うようになっています。
キッチンカー製作で欠かせないのが、食品衛生法・道路交通法・建築基準法などの多様な法規制への対応です。出店地域や提供品目によって保健所の求める設備が異なるため、製作業者の柔軟な対応力が非常に重要になります。
二槽式シンク、温水器、換気設備の設置義務
食品取扱区画とキャッシュエリアの分離
調理ガス器具の固定と耐震設計
総重量や車両サイズ制限をクリアする設計
各地の条例や保健所対応に精通している製作業者ほど、スムーズな出店を実現できる信頼性の高いパートナーとして選ばれる傾向にあります。
キッチンカー製作業は、単なる「車両を作る」仕事にとどまりません。業界の成長に伴い、さまざまな関連サービスが派生しています。
製作+開業サポート(仕入れ、保健所申請、メニュー開発)
レンタル車両や中古キッチンカーの再販
短期イベント向けのスポット貸し出し
フランチャイズ展開に特化した車両設計パッケージ
これらにより、低リスクでの参入や柔軟な事業展開が可能となり、個人や企業がキッチンカー事業を始めやすい環境が整いつつあります。
キッチンカー製作業の多様化は、飲食業界におけるビジネスの柔軟性と独自性を支える存在として進化しています。
オーダーメイドで「やりたいこと」を形にできる
ニーズに応じた設備・デザイン・法規対応の最適化
始めやすく、成長にも対応できる“変化に強いインフラ”
キッチンカーという表舞台の裏で、その「移動空間」を支える製作業者の存在は、これからの飲食業や起業文化においてますます重要な役割を担っていくことでしょう。